不登校の支援をしていると、親御さんからこのようなご相談を多くいただきます。

親御さん
子どもが学年が変わったら行くと言っているのですが、信じたい気持ちもあるけれども、行かないかもと思ってしまう自分もいて・・・。
どうすれば良いでしょうか?
親御さん
4月になったら行くと子どもが言っているけれども、行く気がしません。

「4月になったら行くから。」等という発言は不登校の子ども達の中でも珍しくありません。

しかし、ここで挙げた親御さんのセリフのように、親として子どもの言葉を信じたい気持ちはあるものの本当に行けるのだろうかという不安があるのも事実だと思います。

目次

みなさん、こんにちは😊スージー先生です🌼

今回は環境が変わることに期待感を持つお子さんについて書いていきます。

環境の変化を待ち望んでいる不登校児もいる

現時点で不登校の状態にあるお子さんの中にも、環境が変わることによって登校できるのではないかと期待しているお子さんもいらっしゃいます。
そういったケースですと、お子さんから

子ども
4月からは行こうと思ってる。
子ども
中学生になったら行くよ。

などと言ってくることも少なくありません。

このような言葉を聞くと、親御さんとしては信じたい気持ち半分と「本当に行けるのだろうか」という不安な気持ち半分という方が多く見受けられます。

特に、これまでお子さんの発言として「夏休み明けたら行くから」や「3学期になったら行くよ。」などと子どもの発言を信じて見守っていても動き出せなかったという状況になると親御さんとしても子どもの発言を信じられない気持ちになってしまうのも無理はないと思います。

環境が変わることによって不登校が解消するとは限らない

正直なところ専門家からみても、学年が変わった4月から登校できるかどうかという点に関しては、その状況になってみなければ分からないと思います。
もしかしたらお子さんが言うように行ける可能性もありますが、実際のところは行く気はあっても行けなかったという状況に陥ることが多いようにも感じます。

実際の支援の中では、お子さんが制服に着替えて準備も万端だったのに、玄関から出ることが出来なかった・・・というケースもあります。

行きたいけれども行けないという状況に陥った場合、親御さんも期待していた分「裏切られた」「またか・・・。」などとショックも大きいかもしれません😫

そのショックからお子さんを責めてしまう方もいらっしゃいますし、ご自身のことを責められる方もいらっしゃいます。
また、親御さんだけでなく子どもも「行こうと思っていたのに行けない」という状況は自信を無くしてしまう子も少なくありません。

子どものタイプによっても反応は様々ですが、自分を責めてしまうタイプのお子さんの場合、部屋に引き籠ってしまうことや親御さんと顔を合わさないようにするということもあります。

子どもが学校に戻るために何が必要なのか

不登校の状態を繰り返さない為にも、子どもが学校に戻るために何が必要なのかを考えていきたいですね。

その為には、子どもが何に対して不安を感じているのかを知ることも大事です。
自分から言ってくる子は分かりやすいですが、自分自身でも何に対して不安を感じているのか分からないという子もいます。
そういった子ども達にも私たちカウンセラーは丁寧に話を聞いていきます。
子どもの家庭環境や考え方にもよりますが、親だから言いにくいということも中にはあります。
そんなケースでは、親御さんがどれだけ頑張って丁寧に話を聞いたとしてもなかなか言い出しにくいということもあることを知っておいてください。

ですので、子どもが抱えている不安を聞き出そうと子どもに質問攻めのような形を取ってしまうことは避けておきたいところですね。
質問攻めのような対応を繰り返していると、親子関係に亀裂が入ってしまうこともありますので注意しておきましょう💡

不登校の根本的な原因が解決されていないケースもある

根本的な原因が解決されていないケースでは、また同じように学校をお休みしてしまって不登校の状態が続いてしまうというケースも往々にしてあります。
特に私たちが見ている不登校のケースを紐解いていくと、子ども自身の性格傾向に原因がある場合が多く見受けられます。
例えば、何事も物事に対してネガティブに捉えてしまうお子さんの場合、学年が変わってクラスメイトや先生が変わったとしても、何か嫌なことがあった時にすぐにネガティブに捉えてしまう子どもの傾向は変わりません。

物事をネガティブに捉えがちな子ども達も、学校生活の中で楽しいと感じることが全くなかったということは少なかったりします。
友達と他愛のない話をしたことや、給食がおいしかったことなど些細な楽しさを経験している子どもの方が多いものです。
しかし、捉え方一つで楽しいことが全てなかったかのような捉え方をしてしまうことがあるのも事実です。

この様なケースでは、子どもが学校に戻れたとしてもまたすぐに学校をお休みする理由を探してしまうことも想定されます。

継続登校まで見据えた対応を

親御さんとして「4月になったら行く」というお子さんの気持ちを尊重して信じることも大事ですが、子どもが学校に戻った時に継続して登校しやすい環境を家庭内で作ってあげることも重要になってくるのではないかと考えます

家庭内で失敗も含めた様々な経験を子どもにさせられているご家庭は、子ども自身が何か問題に直面しても自分で考えて行動するということが出来るケースが多く見受けられます。
実際、社会に出たら物事がスムーズに行くことばかりではなく、困難に直面することの方が多いかもしれません。
そんな時に自分の力だけでなく誰かの力を借りながら解決できるようになってくれれば親御さんとしては安心ですよね😊

近年、自分の気持ちや考えを表現するのが苦手と感じているお子さんも多いです。

ご家庭内で親御さんが先回りして子どもが言いたいことを代弁してあげていたり、言葉足らずな発言でも親だったら分かるが故に対応してしまったり・・・ということが増えていくと、家庭内で自分の気持ちや考えを言わなくてもみんな察してくれると子どもは勘違いすることもあります。

そうなると学校という社会の中でも家庭内と同じように、みんなが私(俺)の気持ちを分かってくれて当然だと思ってしまうのも無理はないですし、自分で表現しないといけないという感覚に至らないことも理解できます。

ただ、本人の感覚としては「どうしてわかってくれないのだろう。」という気持ちしか残りませんので、どうしていけば良いのかすら分からない状況に陥ることもあります。

家庭内において自分の気持ちや考えを表現する場を与えてあげていると、それを自然に子どもが出来るようになればきっと学校などの社会においても問題なく表現できるのではないかと思います。

不登校と言えどそこに至るまでの経緯は様々ですし、適切な対応もケースによって様々です。
親御さんとしてどのような対応がよいのかなど迷われることもあるでしょう。

お一人で悩み過ぎず、専門家に頼ることも一つだということを忘れないでくださいね🍀