不登校の親の対応~やってはいけない5つの行動と今日からできること~

2026.06.20

「学校に行きなさいと言うべきか、言わないべきか」、「ゲームを取り上げるべきか、見守るべきか」――正解が見えないまま日々が過ぎていく。そんな保護者の方が多いのではないでしょうか。

実は良かれと思ってとった行動が、脳科学的にはお子さんをさらに追い詰める場合もあります。不登校支援の現場経験と脳科学の知見をもとに、「やってはいけないNG行動」と「今日から使える代わりの声掛け」をセットで解説します。

①「学校に行きなさい」と無理に促す

NG 「学校に行けそう?」「今日こそ行きなさい」と毎朝繰り返す

なぜいけないのか:偏桃体への影響

毎朝の「学校に行けそう?」は本人を追い詰めます。繰り返しのプレッシャーは脳の「偏桃体」を刺激し、強いストレス反応を引き起こします。その結果、反発・無気力・身体症状(腹痛・頭痛)として現れることが多くあります。

不登校の子は「行きたくない」のではなく「行けない状態にある脳」になっています。意思の問題ではなく神経系の問題として捉えることが大切です。

今日からできる声かけ:「眠れた?」「今日は何したい?」など、学校と関係のない声掛けから一日を始めてみてください。小さな安心の積み重ねが、偏桃体の過活動を落ち着かせる第一歩です。

②「なぜ行けないの?」と理由を問い詰める

NG 「理由を言いなさい」「何があったか話して」と原因を探ろうとする

なぜいけないのか:本人も理由がわかっていないことが多い。

不登校の子供の多くは、自分でも理由がわかっていません。マズローの欲求階層理論でいえば、不登校の多くは「安全でいたい」という安全欲求が満たされていない状態です。そこへ「理由を話しなさい」と追い打ちをかけることは、心理的安全性をさらに下げる行為になります。

また、原因を追い詰められた子どもは「わかってもらえない」という絶望感を持ちやすく、心を閉じるきっかけになることがあります。

今日からできる声かけ:「最近どんなことが楽しい?」という一言から始めてみてください。理由を探るより先に安心感を取り戻すことが回復への近道です。

③ゲームやスマホを取り上げる

NG 「ゲームばかりしているから学校に行けないんだ」と取り上げる

なぜいけないのか:唯一の安心材料を失わせることになる

不登校の子供にとって、ゲームやスマホは「唯一の安心できる場所」になっているケースは少なくありません。オンラインゲームを通じた友人関係や、動画視聴による気分転換は、追い詰められた心の逃げ場として機能しています。

それを突然取り上げることは安全基地を失わせることと同じです。子どもはさらに孤立し、家庭への信頼を損なう結果になりかねません。

今日からできる声掛け:「それ何のゲーム?」と話を聞くことが、対立ではなく対話のきっかけになります。まず家庭を安全基地にすることが先決。ゲームの話題から会話が生まれ、気持ちを打ち明けてくれる子が多くいます。

④「将来どうするの?」と不安を突き付ける

NG 「このままじゃ高校に行けない」「将来どうするつもり?」と先のことを迫る

なぜいけないのか:前頭前野が機能しにくくなる

強いストレスが続くと、論理的思考や計画立案をつかさどる「前頭前野」が働きにくくなります。つまり将来の話をしても、そもそも将来を考える脳の機能が低下している状態なのです。「考えなさい」と迫られても考えられない。その苦しさが「無気力に見える態度」として表れていることを理解してください。

今日からできる声掛け:将来の話は本人が自分から話し始めたタイミングに委ねましょう。今は「今日の安心」を積み重ねることを最優先に、前頭前野が落ち着いて機能するようになれば、自然と先のことを考え始めます。

⑤一人で抱えこみ、家族で共有しない

NG 父母でバラバラな方針で接する。どちらかが一人で対応を抱え込む

なぜいけないのか:子どもが混乱する。

両親が異なる方針で接すると、子どもはどちらに合わせればいいのかわからず混乱します。「お母さんはいいと言ったのに、お父さんはダメと言う」という状況が続くと家庭そのものへの信頼が揺らいでいきます。

ペアレンツキャンプが大切にしている「家族会議」

ペアレンツキャンプでは、「家族会議」を支援の柱の一つとしています。これは誰かを責める場ではなく、家族全員が現状を共有し、同じ方向を向くための場です。

実践のヒント:週に一度、短時間でも「最近どう?」と家族で話し合いの時間を持ってみてください。ルールはひとつ。否定しないこと。家族が同じ方向を向いているだけで、子どもの安心感は大きく変わります。

まとめ

NG行動

  • ①学校に行きなさい→偏桃体を刺激し反発・無気力を生む
  • ②なぜ行けないの?→安全欲求をさらに脅かし心を閉じさせる
  • ③ゲーム・スマホを取り上げる→唯一の安全基地を失わせる
  • ④将来どうするの?→前頭前野を機能停止させ無気力を悪化させる
  • ⑤一人で抱え込む・方針がバラバラ→家庭への信頼を損なう

今日からできること

  • 学校と無関係な声掛けで一日を始める
  • 理由を聞く前に安心感を取り戻す
  • ゲームの話題から対話を生む
  • 「今日の安心」を積み重ねることを最優先にする
  • 家族会議で同じ方向を向く

お子さんの状況は誰かの責任ではなく、さまざまな要因が重なった結果です。まずは責めることをやめて、理解することから始めてみてください。

お子様の不登校でお悩みの方はまずはお気軽にご相談ください。ペアレンツキャンプでは保護者の方の話を聞くことから支援をスタートしています。

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「親が変われば、子は変わる」という理念のもと、不登校や母子登校に悩むご家庭の支援に従事。日々、多くの親御さんと二人三脚で、お子さんの自立と復学を目指した具体的なアドバイスを行っています。私自身、家庭教育の重要性を痛感しており、単なる解決策の提示だけでなく、親御さんの心が少しでも軽くなるようなサポートを大切にしています。一人で抱え込まず、まずは一歩、一緒に踏み出してみませんか。

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