「もうムリです」から始まった支援。中学2年生男子の場合

こんにちは。不登校支援に携わっていると、「どうしたら学校に戻れますか?」という相談をよくいただきます。ですが現場では最初から「学校復帰」を目標に動けるケースばかりでは有りません。

今回ご紹介するのは、実際にあった中学生のケースです。

「朝になると動けない」

中学2年生のA君。小学校の時は問題なく通学していましたが、中1の後半から徐々に欠席が増えました。最初は

  • 朝になると腹痛
  • 頭痛
  • 「今日は無理」

という状態。親御さんは最初、「甘えでは?」「このままでは将来困る」という不安が強く、毎朝なんとか登校させようとしていました。ですが、次第に親子の衝突が増え、家の中でも会話が減っていきました。

実は学校だけの問題ではなかった

支援に入って見えてきたのは、A君がかなり長い間

  • 周囲に気を遣いすぎる
  • 失敗を極端に恐れる
  • 「迷惑をかけてはいけない」

という緊張状態で過ごしていたことでした。学校でいじめがあったわけではないのに、本人の中では「また失敗したらどうしよう」「先生に当てられたらいやだ」「みんなに変に思われたくない」そんな不安が積み重なり、「行けない」状態になっていたのです。

支援で最初にやったこと

まず取り組んだのは

  • 家庭内の緊張を下げる
  • 親御さんの不安整理
  • 本人が安心して話せる環境づくり

でした。親御さんは不安を抱えていましたが、親の焦りが強くなるほど子供は追い詰められることも少なくありません。支援開始からしばらくはA君はほとんど自室から出てきませんでした。

ただ、雑談を続ける中で少しずつ好きなゲームの話、将来やってみたいこと、学校で実は苦しかったことを話してくれるようになりました。そこから

  • 昼夜逆転の調整
  • 外出練習
  • 短時間の別室登校

へと段階的に進んでいきました。

「戻った」より大事だったこと

最終的にA君は毎日ではないものの学校へ通えるようになりました。ですが、学校に戻ったことだけが成果ではありません。以前のA君は失敗したら終わり、頑張れない自分には価値がないと考えていました。でも、支援を通して

  • 不安を言葉にできる
  • 助けを求められる
  • 「休みながら進む」感覚を持てる

ようになったことが、実は一番大きな変化でした。

不登校は「ちゃんとした理由がないのに行けない」というケースも少なくありません。だからこそ、「なぜ行けないのか」だけを追及するのではなく、「何が苦しいのか」「どこなら安心できるのか」を丁寧に見ていくことが大切だと感じています。

不登校支援は単に登校を促すだけではなく、子どもと家庭が「安心を取り戻す過程」に寄り添うことなのだと思います。

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「親が変われば、子は変わる」という理念のもと、不登校や母子登校に悩むご家庭の支援に従事。日々、多くの親御さんと二人三脚で、お子さんの自立と復学を目指した具体的なアドバイスを行っています。私自身、家庭教育の重要性を痛感しており、単なる解決策の提示だけでなく、親御さんの心が少しでも軽くなるようなサポートを大切にしています。一人で抱え込まず、まずは一歩、一緒に踏み出してみませんか。

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